皆さんは、お節料理にはどんなワインを合わせますか?
年末になると友人から「お節料理に合わせるワインを教えて!」とよく言われます。私自身も毎年直前になってかなり悩みますが、遡って数年試してみた中で、今年飲んだこのワインがとても美味しく、相性も抜群によかったのでご紹介したいと思います。
山形が生んだスパークリングワイン
タケダワイナリー サン・スフル
タイプ:スパークリングワイン(辛口)
産地:日本 / 山形県
ぶどう品種:山形県産デラウェア種 100%
蔵王連邦のふもと山形県上山市にあるタケダワイナリーのスパークリングワインです。タケダワイナリーは日本で一番最初にシャンパーニュ方式(瓶内二次発酵方式)でスパークリングワインを作ったことでも知られており、名実ともに日本を代表するワイン生産者です。ホームページがとても素晴らしく、読み物としてもとても充実しているので、是非一度のぞいてみて下さい。
このワインは、発酵中のワインを瓶詰めし、瓶の中で発酵を継続させることで、酵母が生み出した炭酸ガスがワインに溶け込んでできるスパークリングワインです。無濾過のためぶどう由来のにごりや澱、酒石が残っており、その旨みが凝縮された、ふくよかな味わいです。酸化防止剤を使用していないことから、サン・スフルと名付けられています。
お節料理に合わせるスパークリングワイン
お節料理には、栗きんとんや黒豆のように甘いもの、なますや酢れんこんのように酸っぱいもの、数の子やイクラのような生臭いもの、かまぼこのように淡白な味のものなど、色々な味があります。
ですから、「この料理とすごく合う」というようにピンポイントで合わせるより、「この料理とだけは全く合わない」ということがないようにするのが大事なので、レストランでも前菜からメイン、デザートまで合わせられるスパークリングワインが有力候補となります。
一方で、お節料理には甘口ワインも比較的合わせやすいと聞きますが、時間をかけて少しずついただくお節料理には、やはり辛口が飲み飽きません。タケダワイナリー サン・スフルもキリリとした辛口であることはもちろん、そのふくよかな味わいが、濃い味付けのどのお節料理とも合い、また、ことなる味わいの料理を食べる前に口に含むと、爽快な泡と酸味で口の中をさっぱり洗い流してくれます。
香りも味わいも過度にフルーティーではなく上品なので、普段ワインを飲み慣れていない、特にビールや日本酒派のご年配の方にも気に入っていただけると思います。
もし、ご家族そろっていただくお節料理に合わせるワインに悩んだら、是非このスパークリングワインをお試しいただきたいと思います。