はじめに
近年、日本ワインの品質向上が目覚ましく、世界で戦うことができる素晴らしいワインが、多数生みだされ続けています。北は北海道から南は九州地方までと、日本各地で高品質ワイン造りが本格化してきているのは、何事にも変えれない喜びです。
さて、そんな日本ワインの代表的存在といえば、やっぱり甲州ワイン。甲州種で生み出されるワインは、試行錯誤の末、世界の有名ワインとも対等に戦える力を身に付け、世界中のワインジャーナリストをはじめ、ワイン愛好家たちを驚かせています。そんな甲州ワインの殆どを生産するのが、日本きってのワイン産地である山梨県。
2013年に国税庁長官が、この「山梨」を日本のワイン産地名として初指定した、まさに日本の誇るべき大名産地なのです。さて、そんなワインで一躍有名となった山梨県なのですが、実はワイン大国のあの土地と、非常に深い関係があったことをご存知だったでしょうか。
甲州ワインがどれだけ凄くて、どれだけ評価が高い、いうことは次の機会にお話するとして、ここでは、山梨県のワインまつわる小話を紹介します。ぜひ、ワインのつまみにでもしながら、読み進めてみてください。
ボーヌ村との関係
ワイン大国のあの土地…と、前述しましたが、その土地とは何を隠そうフランス・ブルゴーニュ地方です。 ブルゴーニュ地方の中でも、黄金の丘を意味するコート・ドール県は、ロマネコンティ、コルトンシャルルマーニュ、シャンベルタン、モンラッシェ…と、ダイヤモンド級の高級ワインを生産する超有名産地です。そんな、コート・ドールを象徴する市といえばボーヌです。
オスピス・ド・ボーヌのワインオークションが世界的に有名な土地ですが、実はこのボーヌと山梨県甲州市は、姉妹都市なのです。姉妹都市としての提携年は1976年の旧勝沼町時代で、ワイン生産地という共通点や特産品、地理的条件などを踏まえながら、現在でも交流が続けられています。
経緯としては、1877年に勝沼から高野正誠と土屋龍憲という二人の青年が、ぶどう栽培とワイン醸造の研修にボーヌに渡ったことが関係しています。
その後、1973年にワイン醸造会社の社長よりこれまでの関係性を背景に姉妹都市締結が提案され、交流を続けた結果、締結を結ぶに至ったそうです。まさか、世界一の土地と日本のワイン名産地が繋がっていたとは!
さらに、あの場所とも!?
出典:http://www.yamanashi-kankou.jp/
ボーヌと甲州市が姉妹都市というだけでもお腹一杯ですが、実は山梨県笛吹市も、コート・ド・ニュイにあるニュイ・サン・ジョルジュと姉妹都市を締結しています。 ニュイ・サン・ジョルジュといえば、グラン・クリュは無いものの、非常に高品質なワインを生産する名産地です。その味わいは、コクがあり、どっしりと力強いのが特徴的で、ブルゴーニュで最も男性的とも言われるほど評価の高い赤ワインを生産しています。
合併前の一宮町時代の1992年にニュイ・サン・ジョルジュと姉妹都市を締結しているので、それが自動継続されたカタチとなっています。
ワインマラソンやワインオークションが行われたりと、ニュイ・サン・ジョルジュは観光地としても魅力的な土地です。今後、山梨県とブルゴーニュ地方の交流活動が、ワイン業界に大きく貢献する何かのきっかけになれば素敵ですね。
まとめ
こういった、ワインを絡めた交流活動は、日本人としても嬉しいところです。
どちかのワインの品質が上なのかと、無駄にいがみ合うのではでなく、ワインを通じて文化交流を図り、良き仲間、良きライバルであるという関係が続けば良いと思います。
ぜひ、みなさんもこういったワイン産地同士の交流についても調べてみてくださいね。