噛み締めるにつれて美味しくなる!羊乳から作られるチーズとは?

ナチュラルチーズの主な原料乳は、牛、山羊、羊、水牛の乳のいずれかとなりますが、今日はその中でも、羊乳から作られるチーズについてご紹介致します。

羊乳チーズの特徴

羊乳は日本ではあまりなじみがありませんが、チーズ作りの歴史においては、実は牛乳よりも古くから利用されています。

また、牛乳や山羊乳に比べて脂質やタンパク質の含量が多く栄養価が高いと言われています。そんな羊乳から作られるチーズは、フレッシュなものでも独特のコクがあり、ハードタイプのものは、熟成が進むにつれて、干し草やナッツのような香りがし、噛み締めるほどに甘みを感じられます。

ちなみに、羊乳から作られるチーズのことをフランスでは「ブルビ」、イタリアでは「ペコリーノ」と呼んでいます。

代表的な羊乳チーズ

フェタ【原産国:ギリシャ】

紀元前から存在する世界最古のチーズ。ソフトタイプのチーズで、保存性を高めるために塩水に漬けて作られているため、水や牛乳にしばらく浸して塩抜きをしてから食べます。

日本のスーパーでは、すぐに食べられるようにオリーブ等と一緒にオイル漬けになった物をよく見かけますが、塩抜きしたフレッシュな「フェタ」にオリーブオイルをたらすだけでもとても美味しいですし、ほぐしてサラダのトッピングするのもおすすめです。羊乳チーズとしては比較的淡白な味わいです。

注:正確には羊乳100%、もしくは山羊乳30%まで加えて製造することが認められています。

ロックフォール【原産国:フランス】

言わずもがな、世界的に有名なフランス産ブルーチーズ。青カビの刺激と羊乳の濃厚な旨みの融合は比類のない味わいです。

「羊飼いが美しい女性の後を追いかけたために洞窟に置き忘れてしまったチーズが、数日後カビだらけだった」ことが、このチーズが生まれたきっかけと言われています。「ロックフォール」については以前のコラムでもご紹介しておりますのでご欄下さい。

オッソ・イラティ【原産国:フランス】

フランスとスペインの国境にまたがるピレネー山脈の麓、バスク地方のチーズ。セミハードタイプでもちもちとした食感が特徴です。

残念ながら身近なスーパーではなかなか手に入りませんが、チーズ専門店ではよく見かけます。羊乳チーズの個性がしっかりありつつも非常に食べやすいので、羊乳チーズ初心者にはおすすめです。

マンチェゴ【原産国:スペイン】

日本で最も知名度の高いスペインのチーズ。羊乳独特のコクと甘みがありますが、塩味はおだやかで優しい味わいです。日本人の嗜好にも非常に合うと思います。

スライスしてそのまま食べたり、ダイス状にカットして生ハムやドライトマトとピンチョス風にしても良いですね。

ペコリーノ・ロマーノ【原産国:イタリア】

『ローマ産の羊乳製チーズ』という意。この他にも、「ペコリーノ・トスカーノ」「ペコリーノ・シチリアーノ」など、イタリアでは主に中南部で多くのペコリーノが作られています。この「ペコリーノ・ロマーノ」は他のペコリーノに比べて塩味が強く、ジャリジャリとした食感です。

まとめ

羊乳チーズと聞くとなんとなく『クセがあるのでは?』と敬遠してしまいがちですが、セミハードやハードタイプのものは、香りも味もおだやかでクセはほとんどありません。

また、ぎゅっとミルクの旨みがつまっているように感じるせいか、少量でも食べ応えがあるように思います。 羊乳から作られたチーズも是非お試し下さいね。

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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