ワインを語るなら獲っておきたい!ワインの資格試験や検定に関するまとめ【後編】

前回は日本ソムリエ協会(JSA)の呼称資格認定試験とワイン検定についてご紹介しましたが、今回はワインにおけるその他の資格についてもご紹介したいと思います。

全日本ソムリエ連盟(ANSA)の認定資格

日本では日本ソムリエ協会の他に、この全日本ソムリエ連盟の認定資格に合格するとソムリエを名乗るにふさわしい知識があるとみなされます。特色は知識だけではなく、ワインに関するトレーニングを重視したカリキュラムを行っており、プロのワイン提供者育成に注力しているという点がまず挙げられます。

また、JSAの呼称資格認定試験はフランスワインを出題範囲の中心としているのに対し、ANSAでは全世界のワインを満遍なく勉強することを勧め、学習範囲が広いそうです。

受験資格はなく、資格取得のためには3ヶ月で全6回の添削問題の提出がある試験のない通信コース、全講義をDVDで学習し試験会場で試験を受ける在宅受講、前全講義と試験を2日間で行う2日集中受講受験コースから選ぶことができます。

飲食業に従事している人はソムリエ、酒類販売業に携わる人は一般的にワインコーディネーターを選ぶ傾向にあるそうです。合格すると認定書、認定バッジに加え、ワイン品質鑑定士と食品・飲料の総合的な知識を持った「F&Bナビゲーター」の認定証が発行されます。

また、ANSAでも1級~3級のワイン検定が開催されています。他にANSAの母体組織であるNPO FBO(料理専門家団体連合会)傘下にある「きき酒師」などの酒類関連資格を取る際に受験料などが一部免除されます。

全日本ソムリエ連盟

米国ワインエデュケーター協会(SWE)の資格

アメリカで最も権威があるワインの資格で、アメリカやアジア各国で多くの大学や企業が研修やキャリアアップのために取得を目指す資格です。

ワインに関しての試験の中で難易度は非常に高く、アジア圏でも取得者が少ないためにこれから注目度が上昇していく可能性のある資格です。CSWのほうが難易度が低く、JSA呼称資格認定試験を合格した人がさらに上を目指すレベルとされています。

資格はCSW(Certified Specialist of Wine)とCWE(Certified Wine Educator)の2種類があります。CSWについては日本支部が日本国内での受験も可能にしており、CWEはアジア圏で受験会場が用意されています。

CSWについては国内の試験会場にて、コンピューターで記入していく選択問題になりますが、CWEについては4択の中から正解を選ぶものに加え、英文でのエッセイの筆記、テイスティング、そして試験官3人および聴衆の前で15分間行うワイン・プレゼンテーション科目が受験科目となり、その難易度はかなりのものとなります。

また、テイスティングについては赤白それぞれ4種類ずつの8本が出題され、試験時間は30分。与えられたそれぞれ5つの選択肢から4つのワインを当てはめ、8本中6本以上が正解で合格とされます。さらに8本のうち試験官が指定した1本については、それを選んだ過程を論理的に英語で説明するという課題があるそうです。

米国ワインエデュケーター協会 日本支部

自分の目指す目的によって資格を選ぶ

日本で一番多くの会員を抱えているのはJSAですが、ANSAでの認定資格も立派なソムリエ資格となり、それに優劣はありません。

SWEの資格については難易度が高く、国内で取得者が少ないという性質上、例えばこれからワインについて教える側になりたいと考えている人やよりレベルの高いワインの知識を得たいと考えている人は目指して損はありません。

これから自分がワインについてどういうふうに関わっていきたいかを吟味して、受験する資格試験を選ぶことができると良いですね。

前編はこちら

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お酒と書籍をこよなく愛すワイン好きなライターです。ワインの魅力にとりつかれ、知識を深め、ワインエキスパートの資格を取得。「ワイン=敷居が高い」という既成概念を壊していきつつ、一緒にワインの楽しさを探っていきましょう。

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