皆さんは「そのワインは、どんなワイン?どう美味しい?」と尋ねられて、困ったことはありませんか?レストランのソムリエのように、ワインによって香りや味わいを分かりやすく表現できるようになりたいですよね。ワインの味わいを”美味しい”以外で表現できれば、誰かに伝えたり、共感してもらえたりと、さらにワインの楽しみが広がります。
今回は、今日からすぐに使えるワインの表現方法をご紹介します。
ワインはブドウ以外のフルーツで例えられる事が多い
ワインは色・香り・味わいなど産地や品種によって、様々な“違い”がある為、数多くの表現方法があります。
ブドウを原料としたお酒ですが、「ブドウの香り・味」と言ってしまうと、違いが分かりにくいですよね。違いを表現する上でのポイントは、“香りの違い”です。
今回は白ワイン・赤ワインを3種類のフルーツで大きく分けて表現します。
白ワインの表現方法
白ワインを表現する上でのポイントは、白ワインの骨格でもある酸味と甘味。今回はレモン・桃・パイナップルを例に挙げてみました。
レモン(柑橘系)
レモンやライムなどの柑橘系は、唾液が出る程の酸味を連想します。
香りや飲んだ際に「酸っぱい」と感じるワインは、“レモンのような”と表現することができます。
特徴としては、あまり温暖でない冷涼な地域のワインが多く、薄く淡い色調です。フランスのシャブリなど、しっかりした酸味を感じる時に表現できます。
酸味に少し苦みを感じる場合は、グレープフルーツを使用することもあります。
桃(白色のフルーツ)
桃や洋梨・和梨といったフルーツを想像してみると、先ほどのレモンよりも酸味が和らいだ印象を受けませんか?レモンよりも甘味を感じるような表現になります。
白いフルーツの香りは、寒過ぎず暑過ぎずといった、やや中間の気候エリアの白ワインの香りとして表現されます。
暖かい日本で栽培される甲州種などは、桃や和梨などの柔らかな酸味と優しい甘味を感じるようなワインであることが多いです。
パイナップル(トロピカルフルーツ)
パイナップルやマンゴーといった黄色のフルーツは、最初のレモンに比べると酸味よりも十分な甘味が想像できますよね。“濃厚・濃密”といった、香りが甘く感じられコクのあるタイプの白ワインに表現されます。
南国系フルーツは、ブドウが熟しやすい日照量と暖かい気候である、南の地域の白ワインに表現されます。ワインも実際かなり濃い黄色の色調になってきます。アメリカのシャルドネなどがトロピカルでボリュームのある例となります。
赤ワインの表現方法
赤ワインを表現するポイントは、違いの分かりやすい“色味”です。透き通るほどのピンクに近い色合いから、やや濃い色合い、口周りにも付くような赤に少し黒が入ったような濃い色合いまで様々です。今回は3種類のベリーで表現してみます。
フランボワーズ(赤いベリー)
ロゼワインにも表現されるような、甘酸っぱいイメージのあるフランボワーズは、やはり赤ワインでも酸味が感じられるような淡い色合いに表現されます。イチゴなども同じく、色調が明るいフランスのガメイ種や日本のマスカット・ベーリーA種などにもよく使用されます。
ブルーベリー
ブルーベリーの香りは中間表現としてよく使用されます。カシスなども酸味とともに甘味が加わり、フレッシュでやや青みのある味わいです。
先ほどのフランボワーズに比べ、色合いも濃さが増し、熟度が増したイメージを想像できます。カベルネ・フラン種や、柔らかなメルロー種にも表現されます。
ブラックベリー
赤ワインでも一番色調が濃いワインに例えられるのが、ブラックベリーです。香りも酸味よりも甘さを感じ、渋みまで想像するようなフルーツです。
完熟度が高く、味わいもしっかりした濃いワインを表現する時などに使えます。濃い色調のカベルネ・ソーヴィニヨンなどによく使用されます。
上級者はフルーツの状態を変えて表現する
フルーツの香りを例にとると、ワインの香りも表現しやすくなってきませんか?さらに上級者になると同じフルーツでも状態によって表現を変えます。
「フレッシュなイチゴ」と、「イチゴジャム」ではどうでしょうか?ジャムと表現すると、火を入れて煮詰めて甘くなった香りが想像できますよね。
その他「ドライフルーツ」などもよく使われます。ワインに従事している方々は、このようにしてブドウ以外の表現方法でワインを分かりやすく伝える為に工夫されています。
最後に
いかがでしたか?今日から使えるフルーツを使った表現方法。色合いから想像しながら、実際に香りを確かめ、自分なりに表現してワインをさらに愉しみましょう!