ワイン用ブドウ品種の中には、一文字違いや同じような名前の品種名があります。”似たような名前=同じ品種=味わいも同じ”と勘違いしてしまうこともよくあります。
ブドウ品種には、同じ品種でも国が違えば呼び方が違う異名”シノニム”が存在しているため、違う品種だと気付かないことも多いのです。今回は、ワイン通でも間違いやすい、または知らなかった!という方も多そうな3つの品種について紹介します。
「ミュスカ・ミュスカデ・ミュスカデル」この品種はご存知ですか?この3品種は白ワイン用のブドウです。え、同じじゃないの?という方は必読!全く違う品種なので、チェックしておきましょう。さらに今回は品種ごとにどんな食材・料理と合うかも紹介します!
もくじ
ミュスカ「Musucat」とは?
ミュスカと聞くと分かりづらいですが、マスカットと聞けば、ピン!と来るのではないでしょうか。ミュスカはマスカット・オブ・アレキサンドリアなどの異名を多数持ち、世界中で栽培されています。
イタリアの有名な甘口スパークリングワイン「Asti」の品種で、モスカート・ビアンコとして呼ばれています。さらにミュスカは、酒精強化ワインにも使用されます。その味わいは、とても芳香性が高く、熟した甘い香りと華やかさは女性に人気です。辛口から甘口まで多様な顔を持つミュスカですが、甘口を見掛けることが多いと思います。
ミュスカに合う食材・料理を紹介
合わせる料理は、アペリティフやデザートタイムにも合う、フレッシュチーズやフルーツがオススメです。フルーツをそのまま齧ったような、甘くて瑞々しいミュスカのジューシーさと合わさり、至福のマリアージュを愉しめますよ。
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Amazonで見るミュスカデ「Muscadet」とは?
ミュスカデは、フランス・ロワール川の下流域で栽培されている白ワイン用ブドウ品種です。同意語として「ムロン・ド・ブルゴーニュ」とも呼ばれています。
軽快な酸と控えめながらも白い花のような香りですが、芳香性は強くはありません。ミュスカデは発酵を終えた後も滓引きせずに、滓とともに寝かせる「シュール・リー」製法が用いられることが多く、柔らかな酵母の香りがすることもあります。
ミュスカデに合う食材・料理を紹介
牡蠣には”シャブリ”と言われることも多いのですが、ミュスカデの軽快な酸は牡蠣とよく合います。ワイン通の方は、牡蠣はシャブリよりミュスカデを合わせる事の方が実は多いのです。生牡蠣や、シンプルに白ワイン蒸しにした牡蠣とともにミュスカデを一口。口いっぱいにミネラルが広がりますよ。
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Amazonで見るミュスカデル「Muscadelle」とは?
3つ品種の中で一番聞き慣れない、または初めて聞く方も多いのでは?というミュスカデル。ミュスカデルは単一品種でワインが造られることが少なく、他の品種とブレンドされる補助品種として知られているので、あまり身近な印象ではないかもしれません。
栽培地域は、フランスのボルドーやオーストラリアです。ボルドーでは、ミュスカデルはソーヴィニヨン・ブラン種やセミヨン種とブレンドされ、ボルドー・ブランとして造られています。ボルドー・ブランは、蜂蜜のような甘い香りやジャスミンのようなフラワリーな香りが楽しめます。さらに、ミュスカデルが貴腐菌をまとえば、高貴な貴腐ワインである極甘口ワインとしてもブレンドされます。
ミュスカデルに合う食材・料理を紹介
合わせる料理は、辛口のボルドー・ブランには、ソーヴィニヨン・ブランの持つ爽やかな香りが特徴なので、魚や野菜との相性も良いんです。さらに貴腐ワインにはブルーチーズを合わせると、甘さと塩味のバランスが最高の組み合わせになります。
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Amazonで見るまとめ
いかがでしたか?似たような品種名ですが、それぞれ個性や栽培地域が違う別品種。合わせる食材や料理も変わってくるところも面白いですよね。意外に知られていないワイン品種の違い。品種を知ると、ラベルを見る楽しみも生まれますね!ぜひチェックしてみてください。