珍しいワイン特集!黒ブドウなのに白ワイン?白ブドウなのにオレンジワイン?おすすめ珍ワイン7選

ワインは白や赤・ロゼ・スパークリング・辛口から甘口までと、様々なタイプが存在していますが、思わず二度見してしまうような、珍しいワインに出逢ったことはありませんか?最近では「オレンジワイン」という名も、よく耳にするのではないでしょうか。今回は、通常のワインとは少し異なる、珍しいワインをご紹介します。

珍しいワインってどうやって造られるの?

ワインの造り方は、日本酒やビールとは異なり、実はとてもシンプルです。ブドウの実には糖分・水分があるので、収穫後にアルコール発酵をさせればワインのできあがりです。ワインの見た目の違いと言えば、白や赤などの色合いの濃さですよね。ブドウは、果皮は紫色でも、中身の果肉は白っぽい色合いをしています。収穫したブドウをそのまま絞り、果汁をアルコール発酵させれば、黄緑~黄色のワインができます。

赤ワインは赤い色合いを出す為に、ひと手間を加えます。収穫したブドウを果皮・種子と果汁と一緒に漬けこみ(醸し・マセラシオン)、果汁に色素のアントシアニンを抽出すれば赤い色合いが付きます。

ワインの通常の造り方を理解しておくと、珍しいワインの造り方も理解できます。赤ワインは色素を抽出するために「漬け込み」の作業をするので、色を付けないようにするには、醸しの作業をせずに黒ブドウを収穫してすぐにジュースに絞ってしまえば、色素は付かないことになります。

「黒ブドウから白ワインを造る」と聞くと驚きですが、分かりやすい例がシャンパーニュです。シャンパーニュは、「ピノ・ノワール」「ムニエ」という黒ブドウの品種からも造られます。しかし、シャンパーニュは赤くないですよね(ロゼはあります)。黒ブドウを収穫した後、黒ブドウの皮の色が付かないように静かに絞り発酵させるので、白ワインのような色合いになります。

白ワインを造る際は、白ブドウの果汁をそのまま発酵させて、フレッシュなワインを造ります。しかし、醸すことにより果皮の旨味や香りの成分が抽出され、色合いもややオレンジがかります。オレンジワインの製法には2種類ほどあり、伝統的製法によって造られるオレンジワインは、酸化を促して造られます。もう1つは、スキン・コンタクト(果皮との接触)と言われ、果皮と果汁の漬け込み作業を行うことで、より果皮の成分を抽出する製法です。

珍ワインには何を合わせたらいいの?

このような珍ワインには何を合わせたらいいのか、少し悩んでしまいますよね。黒ブドウから造られた白ワインの場合、渋みが控えめになり飲みやすくなります。香りの華やかさは充分残っていることが多いので、赤身肉よりも白系の肉(鶏・豚など)の方が、味わいのバランスが取りやすくなります。赤ワインでは合わせづらい魚料理との相性も良くなります。

白ワインから造るオレンジワインは、さっぱりとした白ワインから一転、香りや味わいの複雑性も増し、渋みも増しています。このようなオレンジワインは、実はアジア料理がとても合います。甘辛さや酸味もある中華料理やタイ料理、和食の家庭料理にも万能です。赤ワインでは重すぎる場合や、白ワインでは軽すぎるという場合にも合わせやすいので、オレンジワインはロゼワインのような感覚で、第4のワインとして人気が高くなっています。

おすすめ珍ワイン7選

ディープ・ブルー テッシュ

テッシュ
ディープ ブルー テッシュ 2015 白 750ml
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こちらはドイツで造られている白ワインですが、品種は人気な黒ブドウ品種の「ピノ・ノワール」が使われています。とてもフレッシュでミネラル感に溢れています。ピノ・ノワール品種の華やかな香りと繊細な味わいが、白ワインで楽しめる珍しいワインです。

甲州F.O.S 

ココ・ファーム・ワイナリー
ココ・ファーム・ワイナリー 甲州F.O.S. 2015 白ワイン 750ml
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日本のココファーム・ワイナリーが製造する甲州種。珍しい日本ワインです。白ワインと謳われていますが、造り方は赤ワインを造る要領でブドウから香りと成分を抽出した、オレンジワインのような仕上がりです。通常の白ワインとは違う、パワフルな香りと味わいです。

シャトー・マルス 甲州 オランジュ・グリ

本坊酒造株式会社
シャトー・マルス 甲州 オランジュ・グリ 2016年 750ml
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こちらも珍しい日本ワインです。従来よりも長くスキン・コンタクトし、心地よい渋味と旨味が特長的で、ブドウの個性が際立つ果実味豊かなワインです。

クーリー デュテイユ ブラン ド フラン 

ドラジェ
ブラン・ド・フラン 2015 クーリー・デュテイユ 白
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こちらのワインは、赤ワイン品種の「カベルネ・フラン」が使われています。ブラン(白)・ド・フラン(カベルネ・フラン)というユニークなネイミングの白ワインです。カベルネ・フランの持つ華やかな香りはそのままに、味わいはピュアな白ワインに仕立てられています。生産者の思いの通りに繊細で華やかな”新たなカベルネ・フランの魅力”が発見できます。

モルドバワイン ラダチーニ ブラン ド カベルネ

ドラジェ
ラダチーニ ブラン・ド・カベルネ 2017 白
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黒海の西側に存在するモルドバ共和国は、今注目されている歴史あるワイン生産地です。ここで造られているワインは、驚きの「カベルネ・ソーヴィニヨン」から造られる白ワイン。

カベルネ・ソーヴィニヨンといえば、赤ワインの中でも濃い色調のタイプです。そんな面影すら見せないこの色合いですが、爽やかな香りに果実味に溢れた味わいに仕上がっています。

コーヒー ピノ・タージュ / ヴァンジール


 

コーヒーの名が付いたこちらの南アフリカワイン。特徴はその香りにあります。黒ブドウ品種の「ピノ・タージュ」を醸造する際に、ロースト・オーク樽の香ばしい香りを強く付けることにより、焙煎したようなコーヒーやカカオといった香りが感じられます。

エヴィノール トカイアートボトル

エヴィノール トカイアートボトル 白ワイン 紫優 化粧箱入 EVINOR TOKAJI WINE
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こちらのワインは、繊細なアートボトルが魅力的です。なんと、白ワインのボトルの中に赤ワインが入っています。中身はハンガリー・トカイの甘口白ワインで、赤ワインの品種はケークフランコシュです。他にはない珍しいボトルなので、プレゼントにもオススメですよ。

最後に

ワインと一言で言っても、世界には珍しいワインがたくさん存在しています。黒ブドウから造られる白ワインも、醸造方法を少し理解するだけで「なるほど!」と納得できる造り方をしています。

どのワインも「元々のブドウの個性を、美味しいワインに変えるには?」という、生産者の想いが込められています。思わず手にとってしまうような珍ワイン、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

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J.S.A.ワイン検定講師(ワインエキスパート)
【おうちで愉しむワインと食】をテーマに、ワインの豆知識と合わせてちょっとオシャレなおつまみをブログ・ウェブで紹介。 兵庫県宝塚市の自宅でJ.S.A.ワイン検定のお教室を開催中。

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